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2011.11.10

改築事業を現場教育に/喜多方桐桜高校で実習スタート

 教育施設建替えを高校生の現場教育に取り入れる試みが県立喜多方桐桜高校で始まり、9日、初回となる地質の機械ボーリング現場見学会が同校で行われた。
 改築を進める喜多方建設事務所建築住宅課が企画した。実習スタートにあたり蓮沼敏郎建築住宅部長が建物計画などを説明した。実習棟を利用する機械、建設、電気・電子の3科、さらに商業系の生徒との相互コミュニティ形成、また、建物自体が実物大の教材となるよう、可能な限り配管、配線などが見える建築を目指すなど、今回の現場実習のねらいを紹介した。同校実習棟改築の地質調査、設計、建築などを、そのタイミングごとに生徒が立会い、企業の技術者から直接指導を受け、改築工事が終了するまで実習を重ねる。
 協和ボーリングの中田嘉久取締役事業本部長が地質調査の役割や、地形解析、物理探査など調査方法の種類を紹介した。今回の場合、数年前に実施したデータがあるため、ある程度安定した土質と予測でき、必要最低限の場所で9メートルから深い場所で12メートル掘り、標準貫入試験を実施した。
 生徒の「どのぐらい掘ればいいのか」という質問に対し、近隣で進む会津縦貫北道路の地質調査の場合は、場所により30メートルから40メートル程度ボーリングした経験談なども紹介。自身も大学卒業後に地質の分野を選択し、「それまでは地質の硬軟を表すN値すら知らなかった」と話し生徒を和ませた。「地質調査、建築、設備など今回の改築事業を一通り見て、その中から自分の興味のある分野を選択し、就職などにつなげてほしい」とアドバイスした。
 改築事業は、既存の実習棟を解体し、工業第1実習棟(2450・98平方メートル)、第2実習棟(582・46平方メートル)、渡り廊下(295・55平方メートル)の計3331・99平方メートルを建設する。
 次回の現場実習は、建物設計に入る12月を予定し、この中で生徒の案なども可能な場合取り入れる。

地質調査の標準貫入試験を見学する生徒ら→