鈴木設計社長鈴木勇人氏に聞く

【プロフィール】
 鈴木 勇人氏(すずき・はやと)
昭和47年5月18日生まれ40歳、福島市出身。千葉工業大学工学部建築学科卒。自他ともに認める「熱い男」。国体選手として鳴らしたサッカーは趣味の域を超え、社長を務める福島ユナイテッドは悲願のJFL入り目前。「心清事達(心が清ければ事を達成できる)」をモットーに多忙な日々を過ごす。
 飯坂温泉「旧堀切邸」が日事連建築賞・奨励賞(小規模建築部門)、日本建築士連合会優秀賞に輝いた。ダブル受賞の快挙にも「注目が集まり風評被害の払拭につながれば」と福島県、飯坂温泉を全国に発信し復興の弾みとなったことを喜ぶ。
 「旧堀切邸整備がまちづくりのカギ」と生前話していた父・昌夫氏の思いを胸に臨んだプロポーザルで最優秀に。十人十色の住民意見をまとめ上げ、歴史的・民俗的価値の高い建物群を保存・活用し、新たな魅力(施設)を組み合わせた観光・交流拠点を具現化した。
 早い段階で専門技術者とチームを編成し、十間蔵(市指定有形文化財)の復元・修復、素材(天然スレート、瓦など)の再利用などに対応。「地域、施工者、行政と方向性を共有し、四位一体で連携がとれたのが一番」「職人の匠の技のおかげ」と感謝の言葉があふれる。
 耐震改修した旧堀切邸は難を逃れたが、多くの歴史的建造物が被災し、あと一歩で解体を防げなかった悔しさも経験。本県におけるヘリテージマネージャー制度の普及推進に力が入る。
 顧客重視を基本とした上で「伝統的建築物に関わってきた経験、人のネットワークを生かして新しい木造建築に挑戦したい」と新建築への意欲も十分。将来の建築界を見据え、若手を育成する学校設置にも夢を抱く。