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2019.07.01

再生加速化へ工事促進/常磐道4車線化

2020年度内の完成供用へ向けて4車線化事業が進められている常磐自動車道。東日本高速道路(NEXCO東日本)東北支社いわき工事事務所(小林克久所長)は26日、4車線化整備を担当している「いわき中央インターチェンジ(IC)~広野IC間」の工事現場を報道関係者に公開した。
常磐自動車道は、埼玉県三郷ジャンクションから宮城県亘理町で仙台東部道路に接続するまでの全長約300㌔で、4年前の15年3月に常磐冨岡~浪江インターが開通し、全線がつながった。
4車線化事業は、全線開通後の交通量の増加によって、暫定2車線区間で速度低下による渋滞が発生し事故も多発したため、安全走行の確保と、ふくしまの復興・再生の加速化、浜通り地域の活性支援などを目的に16年度に事業着手、翌17年度に現地着工した。
事業は車線新設(2期線整備)と付加車線整備で、いわき中央~広野間と宮城県山元~岩沼間14㌔で車線新設(仙台工事事務所担当)、広野~山元間87㌔の区間内で6カ所の付加車線整備(いわき管理事務所担当)が進められている。
いわき中央・広野間は延長27㌔で、トンネルは好間(1245㍍)、大久(528㍍)の2つ。橋梁はいわき中央橋(364㍍)、大久川橋(596㍍)、浅見川橋(610㍍)など22橋が整備される。現場を公開したのは①好間トンネル(いわき市平)②茨原川橋(同)③北迫川橋(広野町)各2期線の3現場。各現場では小林所長や各工事区長らが工事の進捗状況と施工方法などを説明した。
好間トンネル2期線は好間工業団地直下を通過。土被り厚が最狭部で18㍍と薄い上、既設トンネル(1期線)と6㍍の近接工事で、埋め土や固結度の低い礫岩個所を掘削することから、地盤沈下や振動対策に配慮している。国内に4台しかない日本最大級のロードヘッダー(掘削機)を使用した切羽掘削を公開した。5月末現在で約800㍍まで達しており、20年1月の貫通を目指している。
トンネル北側で建設中の茨原川橋は、橋梁基礎工法に直径2・5~3㍍の深礎杭工法を採用した。杭を固い岩盤層まで根入れさせるための硬岩掘削で、供用中の高速道路に近接していることから火薬による「発破工法」は使わず、非火薬破砕剤による「ガンサイザー工法」を採用した。同工法は岩盤に穿孔した孔内にカプセル状の非火薬破砕剤を装薬し、その爆発エネルギーで岩盤を破砕するもので、衝撃力が火薬と比べて小さいため、供用中の高速道路への影響を最小限に抑えている。
小林所長は「管内の進捗率は5割まで達した。早期完成を望んでいる地元のみなさんの期待に応えるため、安全を第一に一日も早い供用開始を目指したい」と決意を述べた。


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