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2019.11.08

進度アップへ阿武隈川復旧現場にICT導入

台風19号豪雨で阿武隈川と支流・鈴川の堤防が決壊し、甚大な被害を受けた流域の鏡石町成田・河原地区は160haが浸水、83棟の家屋が床上・床下浸水した。測量設計、建設、リース・レンタル、コンクリート製品等業界が一丸となり懸命の復旧工事に取り組んでいるが、両地区を担当する藤田建設工業(本社=棚倉町)は、早期の工事完了を実現するためICTを活用している。
現場は、権限代行制度により東北地方整備局が、災害時協力協定を結ぶ県建設業協会と連携して県管理河川の応急復旧工事を進めている8河川、16地区のうちの2カ所。
同社は10月28日午後に現場入りした。コマツカスタマーサポートの協力を得て、ドローンによる点群測量に着手、夕方までに3次元設計データを作成し翌朝、現場の復旧工事に着工した。通常は2次元図面から3次元データを起こすが、今回はその場で3次元設計データを作成した。同規模の現場なら起工測量におよそ半日、設計と丁張りで2日は必要だが、この手法によって即日着工を実現した。
工事は、仮設で設置した大型土のうの撤去と築堤盛土、川表側への連接ブロック設置。阿武隈川と支流・鈴川の合流点「河原地区」は盛土量約5000m3、延長198m、成田諏訪町地区は盛土量約8000m3、延長100m。連接ブロックは河原地区が鈴川分1067㎡と阿武隈川分800㎡。諏訪町地区は1111㎡。盛土と法面整形を担当するMCバックホウを各現場に2台、通常のバックホウとタイヤローラ、ブルドーザも配備し、29日に現地着工して、今月5日現在の盛土出来高は両現場50%まで達した。
土日返上、早出・残業による突貫作業だが、ICT活用によって安全性が向上。さらに遠隔で施工状況を確認できる建機モニターを使って設計修正やトラブル対応している。
金成一友現場代理人‌​は「人員確保は厳しい状況にあるが、一日でも早く築堤工事を完了させて地域住民のみなさんの安全を確保し、安心して生活が送れるようにしてあげたい」と強い決意をにじませている。


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