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2019.12.13

福島高専生と座談会/建設業への就業促進へ

県土木部と福島工業高等専門学校学生との座談会は10日、いわき市平の同校で開かれ、建設業への就業促進等の施策展開に向けた、学生の生の声を聴いた。
産学官で検討している「職場環境のあり方・建設業の魅力を伝える広報」の一環。担い手確保、人材定着につながる効果的な広報、環境改善の取り組みを具体的に検討する上で、アンケートと座談会を通して若者の実情やニーズを調査し、若者が建設業で働きたい、仕事を続けたいと思える「頑張る基盤」のキーワードを集めるなど施策展開の土台とする。調査結果を基に県建設業産学官連携協議会幹事会等で協議し、年度内に効果的な情報の出し方(伝え方)の方針を示す。
ビジネスコミュニケーション学科4年生40人が参加。桑原充県建設産業室主査が「県内建設業の有効求人倍率は9月時点で約6倍と人手不足が顕著な中、3年以内離職率が約45%と高い。学生の考えを理解し、建設業への入職、定着につなげたい」と趣旨説明した。また齋藤淳県建設業協会事業部長が建設業の役割や仕事内容を説明した。
芥川一則同高専教授が「理想の職場とは何か、どんな職場が働きやすいかなど、制度面や人間関係を考慮しながら考えてほしい」と指導。同校学生100人を対象に実施したアンケートを基に、4班に分かれてグループワークを行い、各班が働きやすい職場について発表した。発表を基に県と学生が質問、意見を交わした。
同校へのアンケートでは、建設業への就職については43人が関心があると回答。就職先選定の重要要素として「福利厚生の充実」「給料が高い」「社内(職場)の雰囲気が良い」を挙げたほか、就職への不安・心配として①休暇は取れるか②会社の人間関係③給料は上がっていくか④仕事に付いていけるかなどを挙げた。仕事のやりがいでは社会貢献や社会的地位などの評価、夢や希望、達成感などの理念的な充足を求める傾向が見られる。職場環境への期待では、人間関係・雰囲気が最も重要視され、給与や休暇など待遇面が続いた。
同学科との座談会について桑原主査は「建設系学校の中でもこの学科の建設業就業への関心は低いため、むしろ一般学生の感覚に近いと予測できる。一般認識へのアプローチに役立つ」と述べた。


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