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2020.02.03

インフラ維持管理シンポに200人

県は30日、郡山市の県ハイテクプラザで「持続可能な地域インフラの維持管理の在り方を考えるシンポジウム」‌​を開いた。県内外の行政関係者や建設・コンサルタント会社などから約220人が聴講した。
インフラメンテナンスの重要性を広く周知し、包括的維持管理の推進など課題解決への手法を探ろうと企画。猪股慶藏県土木部長が「県民の生活を支える社会資本の適切な維持管理は喫緊の課題。建設業会や地域社会と課題を共有し、持続的で良好な体制づくりを目指したい」とあいさつした。
写真家の山崎エリナ氏が「写真家が観たインフラメンテナンスの現場」と題して特別講演。「インフラを陰で支える存在を知ってほしい。専門家ではない立場から感じる思いを伝えていきたい」と述べ、自身の作品を紹介し撮影時の様子を話した。
藤田士郎国土交通省総合政策局公共事業企画調整課事業総括調整官が、インフラメンテナンスに関する施策について基調講演した。老朽化の現状や事後保全から予防保全への転換などについて説明したほか、自治体への技術的支援や新技術導入への取り組みも紹介した。
「包括的維持管理の推進・深化に向けて」をテーマにパネルディスカッションも行った。コーディネーターを奥本英樹福島大学経済経営学類教授、アドバイザーを藤田調整官が務め、添田勝幸天栄村長、中村晋日本大学工学部教授、佐久間源一郎宮下地区建設業協同組合理事長、猪股部長、山崎氏が意見を交わした。
猪股部長は「担い手が減少し予算が限られている中で、どのように管理レベルを維持し効率化を図っていくか考えていかねばならない」と述べ、県の現状や課題を提示した。パネリストからは包括的維持管理の導入事例やメリットが示された。
佐久間理事長は「地域建設業が衰退すると地域の安全・安心が確保できない」と強調。添田村長は地方自治体の立場から「包括的維持管理は事業者の安定収入につながる。効率性よりも住民満足度を優先するべき」と訴えた。
中村教授は「地域ごとの実情を踏まえた仕組みづくりが必要」、山崎氏は「除雪や道路補修では、管理者に関わらず対応窓口を一本化してほしい」などと述べた。


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