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2021.08.18

設計変更の原因調査結果を協議/県建協建築委

県建設業協会の建築技術委員会は11日、福島市の県建設センターで第40回会合‌​を開き、会員を対象に行った「建築工事の設計変更原因調査」の結果を協議した。調査では、設計図書通りに進まなかった工事事例として26件の報告があり、このうち市町村発注工事9件で変更契約が認められなかった。変更原因には「事前調査が不十分」「施工に関する知識不足、検討不十分」などが挙がった。
同委員会では今後、調査結果を基礎資料として、市町村への設計変更ガイドライン普及や変更要因の改善につなげる。ガイドラインの活用に消極的な発注者に対しては、県工事請負契約約款第18条第1項を説明し、設計変更の必要性を訴える。
調査は、会員を対象に設計変更事例のアンケートを行い、原因を整理、類型化した。原因は大きく分けて設計(34%)、調査(28%)、計画(22%)、積算(15%)の順で多かった。変更契約に至った事例の発注者別内訳は県9件、市町村7件、不明1件。
変更契約が認められなかった主な理由は①工事目的物に変更なし②協議前の変更。県工事請負契約約款第18条第1項では、設計図書の施工条件と実際の工事現場が一致しない場合は設計変更の対象としており、今後発注者に理解を求める。協議前の変更については、会員企業等に注意を呼び掛ける。
会合ではこのほか、県入札制度(地域の守り手育成型方式、総合評価方式評価基準)について協議。「守り手育成型の他部局への導入拡大」など委員から出された意見2項目と、昨年度同様の12項目を建築工事における検討課題として、協会の入札制度等研究提案ワーキンググループに提出することを決めた。
任期満了に伴い、委員を改選し、委員長に大和田知昭氏(大丸工務店)、副委員長に作山栄一(作山工務所)を選んだ。大和田委員長は「建築に関する協会の基本的な考え方を検討する委員会。入札制度など課題は山積している。協力をお願いしたい」と抱負を述べた。


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