トピックス

2016.12.02

インフラ長寿命化研究会が第5回シンポジウム

ふくしまインフラ長寿命化研究会(会長=岩城一郎日本大学工学部教授)は29日、郡山市の日本大学工学部で第5回“ふくしま発”市町村橋梁の長寿命化を考えるシンポジウムを開いた。ふくしま市町村支援機構の後援で、市町村担当者など約130人が参加した。
元東北地方整備局南三陸国道事務所長の佐藤和徳同地方事業評価管理官が「復興コンクリート構造物の品質確保・耐久性確保に関する取り組み」について基本講演。東北における復興道路等の完成時期がほぼ重なり、劣化時期も重なることで今後、維持補修予算の増大が予測されることから、構造物の品質・耐久性確保の必要性を訴えた。
東北地方は融雪剤による塩害と凍害により、劣化が著しく進むことから、耐久力向上に向けた研究の進捗も解説した。
「東北インフラ・マネジメント・プラットフォームの構築と展開」について講演した久田真東北大学大学院工学研究科教授は、「国の戦略的イノベーション創造プログラムの採択を受け、構築と展開を進めている東北インフラ・マネジメント・プラットフォームは、技術・知識を醸成する社会実装のための苗床」と述べ、その構築に向け、インフラ維持管理に関する情報共有・発信、各県での取り組みや先端技術の社会実装、道路メンテナンス会議との連携による市町村へのきめ細かな支援が必要としたほか、情報基盤の整備、官民の技術者育成を進めていくことを説明した。
磯松教彦県土木部道路管理課長が「福島県における道路構造物の現状と維持管理技術者養成の必要性」について講演し、高度成長期に整備したインフラが今後一斉に更新時期を迎える現状に対応した国が創設した民間資格の登録制度について説明した。
また安定的・永続的な技術者確保のため、県民と産学官が連携し、情報共有を行う仕組みづくりの必要性を強調。今後の方針として、国家資格や国登録民間資格の活用のため、公共事業におけるインセンティブ付与や、その適用範囲を橋梁以外のインフラ(トンネル、公園、河川構造物、ダム等)メンテナンスにも拡大するなどの検討案を説明した。
岩城会長が「ふくしま発 橋梁の長寿命化に向けた研究会の使命」をテーマに話題を提供。講演者4人によるトークセッションが行われた。県道路メンテナンス会議による道路施設の老朽化対策パネル展も行われた。


ニュース一覧

トピックス

ニュース一覧