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2019.07.26

マラウイ共和国の研修員が護岸工法学ぶ/渋谷建設が協力

アフリカのマラウイ共和国から来日したJICA研修員への実地研修会が23日、福島市の鎌田大橋付近や桑折町の渋谷建設(渋谷浩一社長)で行われた。東北地方整備局福島河川国道事務所と同社が技術指導に当たり、研修員らは雑木などの粗朶(そだ)を用いた伝統的な河川護岸工法「粗朶沈床工」などについて学んだ。
技術指導は、JICA(国際協力機構)の「草の根技術協力事業」の一環として行っており、同事務所と同社が協力するのは今年で7回目。マラウイから研修員4人が訪れ、菊地真樹同事務所伏黒出張所長や渋谷社長ら関係者約20人が参加した。
阿武隈川の鎌田大橋左岸上流約300mの同工法による護岸個所を見学後、渋谷建設社内で講習会と実技研修を実施。粗朶沈床工のベースとなる、粗朶を交互にからませて土留めする「粗朶柵工」、粗朶を一定の太さに束ね強度を上げる「連柴柵工(れんさいしがらこう)」、粗朶柵で作った桝形に土砂等を敷き詰め柳などを植えて根で法面を保護する「柳枝工」などを解説した。実技研修では、枝の結束方法や粗朶柵の作り方を、竹を使って指導した。
マラウイでは、技術を研修した技術者が母国で工法を普及し、河川護岸や洪水対策に効果を発揮している。浸食防止と農地拡大により収入が増加し、子どもたちが学校に通えるようになった地域もあるという。柳沢香枝在マラウイ日本国特命全権大使からの評価も高く、マラウイ全土に技術を広めるよう指示があった。
渋谷社長は「木と石の組み合わせは、コンクリートよりも柔軟な対応力がある。実際に成果が出て、貢献できていることをうれしく思う」と述べた。


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