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2013.05.16

東日本大震災 新潟・福島豪雨 台風15号/その時、建設業は-/災害対応の体験談を発表/県建設業協会

県建設業協は14日、福島市のウェディングエルティで災害対応体験談「その時、建設業は-緊急出動・対応の記録」の発表会を開き、東日本大震災等で直接復旧作業に当たった技術者ら8人が、未曾有の大災害に挑んだ現場のもようや地元建設業が果たした役割を伝えた。
平成23年に発生した東日本大震災や新潟・福島豪雨、台風15号の災害対応で建設業界は、発災直後から被災現場の最前線で人命救助活動や道路啓開作業、応急・復旧作業に不眠不休で取り組んだ。
しかし、自衛隊や消防、警察などの活動がマスコミ等で紹介される一方で、建設業の貢献はほとんど知られていないのが実情。このため同協会では、災害対応で建設業が果たした社会的役割と使命を一般市民に理解してもらい、その活動状況を後世に正しく伝えるため、被災現場等で活躍した建設従事者の生の声を体験談集としてとりまとめた。
発表会には福島工業高校建築科、学法福島高校普通科(実務選択コース)の生徒ら69人を含め、約300人に上る出席者が会場を埋めた。
初めに小野会長が「協会では昨年、“3・11東日本大震災レポート”を作成したが、これだけでは実際の姿が見えてこないということで、今回の体験談集を作成することになった。通信手段が失われ、電気、水道、ガスなどのライフラインが止まった中で実際の現地でどういう活動がなされたのか、そして問題点はなんだったのか、そんなことがきょう発表されるだろうと思う。協会では今後、大災害があった時にどう対応していったらいいのか、委員会をつくり検討しており、その中にもこういった現場の意見を反映していきたいと考えている」とあいさつ。
来賓の渡辺宏喜県土木部長が「震災直後、県内建設業の皆さんは自ら被災し、人員や重機、資材が不足する中にあっても、真っ先に人命救助やがれき・土砂の撤去、緊急避難路や物資輸送路の確保に対応していただいた。これらのことをわたしたちは決して忘れてはならないと考えている。今回は建設業界の生の声を県民に届ける貴重な機会」と述べ、県内建設業が地域にとってかけがえのない存在であることを強調した。
体験談の発表では、東日本大震災関連で渡辺貴生渡辺組土木部主任が「未曾有の大災害で経験したこと」、木幡修政庄司建設工業土木工事部係長が「東日本大震災からの1年間」、池田利宣福島県南土建工業土木部長が「72時間にかける“5世帯13人不明”の救出作業」、脇坂薫田中建設元工事第3部長が「地元の再生に尽くす」、菅野日出喜菅野建設代表取締役が「応急仮設住宅への対応」、佐藤隆雄公益土木工事部長が「被ばくに細心の注意、高濃度の稲わらを撤去」と題して活動の実態を説明。大和建設工業の長谷川秀夫常務取締役が新潟・福島豪雨災害、佐藤彰宏県建設業協会郡山支部長が台風15号における復旧対策の状況を伝えた。
引き続き、防災システム研究所の山村武彦所長が「我が家の危機管理~目からうろこの地震・防災対策~」をテーマに基調講演を行った。
山村氏は、東日本大震災や過去の大災害を教訓に、自らの身を守る地震・防災対策をアドバイスしたほか、災害列島である日本に住む覚悟として①被害者にならず、加害者にならず、傍観者にならず②個人、地域、企業、行政、それぞれの役割(責任)分担③近助の精神と防災隣組-の3つの言葉をキーワードに、危機管理の心構えを説いた。


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