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2013.11.28
東北の将来ビジョン探る/PPP・PFIフォーラム/維持更新の課題も学ぶ
「PPP/PFIフォーラムinやまがた―社会資本の維持更新の諸課題とPPP手法の導入―」が26日、山形市の山形県JAビルで開かれ、東北の将来ビジョンを探ろうと、建設業者やコンサルタント、行政担当者ら約130人がビッグプロジェクトの概要やPFI、維持管理の具体例などを聴講した。東北PPP推進連絡協議会(東北専門新聞連盟、とうほくPPP・PFI協会)の主催。
フォーラムでは、吉岡正和高エネルギー加速器研究機構(KEN)名誉教授(東北大学・岩手大学客員教授)が「国際リニアコライダー計画と東北未来」、石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の木村紀雄地熱部担当審議役が「国内の地熱資源開発の動向と東北での地熱発電の可能性」と題して基調講演した。
国際リニアコライダー(ILC)は、地下トンネル内に巨大加速器を設置し、電子と陽電子を衝突させる実験装置で今年8月、研究者グループが建設候補地を北上高地(岩手県奥州・一関市、宮城県気仙沼市)に決定している。
設計書は既に完成しており、トンネルの長さは約50㌔(幅11㍍、高さ約5・5㍍)。1期で30㌔、2期で20㌔を建設する計画で、工事はアクセス斜路9カ所を設けて、複数のアクセスホールから掘削を同時施工し、着工から4年でトンネルを掘削する。内隔壁、機械設備等の工事を進め、7~9年目で機器を搬入、試運転を行い、着工から10年での運転開始を予定している。総事業費は約8000億円。
大型加速器の研究・建設に長年携わっている吉岡教授は「来年のしかるべき時期に政府の公式見解が出れば、平成27年か28年に本格的な国際研究所をつくり、それから2、3年後に着工できるのでは」と期待した。
北上高地が選ばれた理由に①安定した地盤②トンネル掘削の経経済性③地形(なだらかな丘陵、里山地帯)④交通アクセス(東京との距離等)―などを挙げ、ILCを立地することで「東北に新たな文化をつくりたい」と米・シリコンバレーのような研究開発・産業拠点を創出する構想を披露。①日本で初の国際プロジェクト②東京ではなく地方に立地③次世代の人材育成④外交、安全に関わる―など増田寛也前岩手県知事の言葉を引用して建設の意義を伝えた。
木村審議役は、他の再生可能エネルギーと比べ設備利用率が高く、安定的な電源であり、二酸化炭素排出量がほぼゼロと環境適合性にも優れた地熱発電の現状と課題、支援制度を説明した。
日本は世界第3位の地熱資源量(約2340万kW)で、立地制約等を考慮した可採資源量は約1000万kWが見込まれているが、自然公園外の開発が中心だったため現在の設備容量は約52万kW(17発電所)に過ぎない。11年以降、新規の発電所建設がなく研究者、技術者の不足が懸案だという。
再生可能エネルギーへのニーズの高まりから、地熱資源の賦存量が高く、より低コストで発電が可能となる地域が集中する自然公園の規制緩和など開発を後押しする環境は整いつつあるものの、課題として地元の理解、経済性(長期にわたる開発期間、地下リスク)を挙げた。技術開発等を支援するJOGMECの制度メニューも紹介した。
基調講演に続き、安藤淳東北地方整備局副局長、岡邦彦山形県県土整備部長、水戸部裕行羽田設計事務所社長、中野智治郎東根市プロジェクト推進課長が事例発表を行い、川村巖とうほくPPP・PFI協会専務理事をコーディネーターにパネルディスカッションした。
安藤副局長は社会資本の維持管理・更新のあり方をテーマに、老朽化の現状と国土交通省の取り組み、岡部長は橋梁長寿命化修繕計画に基づく県の取り組みを説明。水戸部所長は東根市消防庁舎などのPFI事業に携わった経験に基づく建築家の立場から見たPFI事業の課題、提案を示し、中野課長は、東根市が実施した4件のPFI事業(進行中含む)の概要を紹介した。
維持管理・更新における市町村の課題として安藤副局長、岡部長はともに①財政②技術者確保―を挙げ、防災・安全交付金の活用、講習会の開催、マニュアルの作成、民間による技術指導などを対応策として示した。
水戸部所長は、地元事業者がPFI事業に取り組みやすい環境づくりの一つとして「リスクが過大に評価され過ぎている」と事前レクチャーの実施を提案。「PFIは提案負担が大きいが、参入した実感として、金額で判断されることはない。いい提案をすれば必ず評価される」とPFI事業への積極的な参入を促した。
フォーラムでは、吉岡正和高エネルギー加速器研究機構(KEN)名誉教授(東北大学・岩手大学客員教授)が「国際リニアコライダー計画と東北未来」、石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の木村紀雄地熱部担当審議役が「国内の地熱資源開発の動向と東北での地熱発電の可能性」と題して基調講演した。
国際リニアコライダー(ILC)は、地下トンネル内に巨大加速器を設置し、電子と陽電子を衝突させる実験装置で今年8月、研究者グループが建設候補地を北上高地(岩手県奥州・一関市、宮城県気仙沼市)に決定している。
設計書は既に完成しており、トンネルの長さは約50㌔(幅11㍍、高さ約5・5㍍)。1期で30㌔、2期で20㌔を建設する計画で、工事はアクセス斜路9カ所を設けて、複数のアクセスホールから掘削を同時施工し、着工から4年でトンネルを掘削する。内隔壁、機械設備等の工事を進め、7~9年目で機器を搬入、試運転を行い、着工から10年での運転開始を予定している。総事業費は約8000億円。
大型加速器の研究・建設に長年携わっている吉岡教授は「来年のしかるべき時期に政府の公式見解が出れば、平成27年か28年に本格的な国際研究所をつくり、それから2、3年後に着工できるのでは」と期待した。
北上高地が選ばれた理由に①安定した地盤②トンネル掘削の経経済性③地形(なだらかな丘陵、里山地帯)④交通アクセス(東京との距離等)―などを挙げ、ILCを立地することで「東北に新たな文化をつくりたい」と米・シリコンバレーのような研究開発・産業拠点を創出する構想を披露。①日本で初の国際プロジェクト②東京ではなく地方に立地③次世代の人材育成④外交、安全に関わる―など増田寛也前岩手県知事の言葉を引用して建設の意義を伝えた。
木村審議役は、他の再生可能エネルギーと比べ設備利用率が高く、安定的な電源であり、二酸化炭素排出量がほぼゼロと環境適合性にも優れた地熱発電の現状と課題、支援制度を説明した。
日本は世界第3位の地熱資源量(約2340万kW)で、立地制約等を考慮した可採資源量は約1000万kWが見込まれているが、自然公園外の開発が中心だったため現在の設備容量は約52万kW(17発電所)に過ぎない。11年以降、新規の発電所建設がなく研究者、技術者の不足が懸案だという。
再生可能エネルギーへのニーズの高まりから、地熱資源の賦存量が高く、より低コストで発電が可能となる地域が集中する自然公園の規制緩和など開発を後押しする環境は整いつつあるものの、課題として地元の理解、経済性(長期にわたる開発期間、地下リスク)を挙げた。技術開発等を支援するJOGMECの制度メニューも紹介した。
基調講演に続き、安藤淳東北地方整備局副局長、岡邦彦山形県県土整備部長、水戸部裕行羽田設計事務所社長、中野智治郎東根市プロジェクト推進課長が事例発表を行い、川村巖とうほくPPP・PFI協会専務理事をコーディネーターにパネルディスカッションした。
安藤副局長は社会資本の維持管理・更新のあり方をテーマに、老朽化の現状と国土交通省の取り組み、岡部長は橋梁長寿命化修繕計画に基づく県の取り組みを説明。水戸部所長は東根市消防庁舎などのPFI事業に携わった経験に基づく建築家の立場から見たPFI事業の課題、提案を示し、中野課長は、東根市が実施した4件のPFI事業(進行中含む)の概要を紹介した。
維持管理・更新における市町村の課題として安藤副局長、岡部長はともに①財政②技術者確保―を挙げ、防災・安全交付金の活用、講習会の開催、マニュアルの作成、民間による技術指導などを対応策として示した。
水戸部所長は、地元事業者がPFI事業に取り組みやすい環境づくりの一つとして「リスクが過大に評価され過ぎている」と事前レクチャーの実施を提案。「PFIは提案負担が大きいが、参入した実感として、金額で判断されることはない。いい提案をすれば必ず評価される」とPFI事業への積極的な参入を促した。
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