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2018.11.12

立花筑波大准教授が講義/木造建築普及促進セミナー

県地域型復興住宅推進協議会は8日、福島市の県建設センターで第6回木造建築普及促進セミナーを開いた。立花敏筑波大学生命環境系准教授が「木材調達の現状と課題」「需要動向から見た今後の木材利用の展開」をテーマに話した。
立花氏は、木材自給率が2002年に18%だったのに対し、29年は36%強と2倍になっており、木材を使用する機運の高まりを歓迎した。一方、世界では森林資源が減少傾向にあるが、木材取引量は増大し、持続可能な森林経営の枠組みとして、先進国では森林認証制度の重要性が増大している状況を説明した。
他の先進国と異なり、日本での木材利用は1990年代以降に著しく減少。木材需要も産出国や国際経済要因の影響もあり、人口減少、木材利用構造の変化から縮小する傾向にあることを指摘し、中長期的には林産物を輸出する方向になると推察。今後の展開について、新たな製品開発や市場の開拓が必要とし、無垢材の内装材や建具家具等への利用、木製品市場の動向(高度化工品や内装材への使用)、非木質系部位での木製品の拡大などを例として挙げた。
森林の維持管理方法についての質問に答え、国土が狭いニュージーランドが、日本の1・2倍の木材を生産している事例を挙げながら「日本の森林面積2500万㌶のうち、500万㌶が生産林として林業用に使えればいい。町に近い部分は人工林、その奥は多目的利用林、さらに奥地は手を入れないようなゾーニングが重要」とした。手放すことができないが自ら管理することは困難な所有者も多いことから「所有と経営の分離」が必要で、「一般市民が林業に投資する場合は、税を控除するような仕組みなどが外国では行われており、日本でもその方向性が議論され始めている」と紹介した。


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