何かと忙しい師走の休日。一息つこうとテレビを点けると、アメリカンフットボールの大学日本一を決める「甲子園ボウル」が放送していた。何気なく眺めていると、徐々に白熱した展開に。たまっていた書類を片付ける手が完全に止まり本格的な観戦と相成った
▼試合は序盤、関西代表・立命館大学が大差でリードも、関東代表・早稲田大学が逆転。立命館が再逆転し、1点差のリードで迎えた試合時間残り3秒、早稲田がFG(フィールド・ゴール)のチャンスを得た。決まれば大会最長記録の難しいキックだが、蹴るのは大学屈指のキッカー。逆転の期待が高まるもボールは無情にもバーを外れた。泣きじゃくる選手には気の毒だが、見る側としては満足感が残った好試合だった
▼アメフトは本場アメリカでは野球、バスケットボール、アイスホッケーと並ぶ四大スポーツの一つ。プロリーグNFLのチャンピオンを決めるスーパーボウルは全米一の視聴率を誇り、テレビCM料は30秒で約4億円と言われる
▼人気沸騰のラグビーに似て、屈強な選手がぶつかり合う激しいスポーツだが、綿密にデザインされた攻撃・守備や時間消費の駆け引きなど、ラグビーよりも戦術的な要素が強い。複雑そうなルールも観戦する分には意外と簡単だ。日本での地位確立は建設業同様、まずは興味をもってもらうことなのだろう。(野)
※過去の槌音はこちらでご覧になれます