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2012.10.16

震災復興の手法に一石/PPP・PFIフォーラム in ふくしま

東日本大震災からの復興を目指すPPP手法の導入を考える「PPP/PFIフォーラムinふくしま~事業推進PPPと復興CMなど事例紹介と展望」は12日、郡山市のビッグパレットふくしまで開かれ、東北各県の建設業者やコンサルタント、各種団体、行政担当者ら約220人がPPP/PFIをめぐる動向を確認し、今後の展望を探った。東北専門新聞連盟ととうほくPPP・PFI協会で構成する東北PPP推進連絡協議会の主催。共催は東北経済連合会、建設新報社、福島建設工業新聞社。東北地方整備局、東北農政局、東北経済産業局、県などの後援。
フォーラムは、14年度に同協議会の主催に移行してから今回で11回目となる。昨年3月11日の東日本大震災で、津波により6県62市町村約22万棟の建物が被災し、現在までに41市町村で復興計画が策定され、本格復興へ向け環境が整備されつつある中、復興計画に位置付けられた事業の具体化の取り組み手法の一つとして、まちづくりと一体となったハード・ソフトの多様な施策を展開するため、公民連携(PPP)をキーワードに新CMなどへの取り組みが重要視される中での開催となった。
初めに齋藤直樹東北専門新聞連盟理事長が「震災被災による避難者が不自由な生活を強いられる中、復興道路や住宅など進めなければならないインフラ整備は多岐にわたる。三陸沿岸道路の事業促進PPPによる整備推進が図られる中、PPP/PFIの支援制度を拡充し復興促進に反映してほしい」とあいさつした。
望月一範国土交通省土地・建設産業局建設業課入札制度企画指導室長が「建設産業の再生・発展に向けた新たな契約方式の展開」をテーマに基調講演。現在の入札制度の構造的問題について「今、解決しなくては将来に禍根を残す課題」と位置付け、一産業だけでない取り組みを示唆したほか、地域維持に不可欠な産業として存続していくための手法の一つとして、地域維持型契約方式や地域維持型JV制度の活用について説明した。
岩<CODE NUM=4173>泰彦東北地方整備局副局長は、震災からの早期復興を目指して取り組む復興道路と同道路の整備手法としての事業促進PPPのあらましについて説明。「民間の力を借りる手法はこれから不可欠になっていく。狙いを見据えた新たな制度を取り入れながら、持続可能な制度として確立していきたい」と強調した。
川村巌とうほくPPP・PFI協会専務理事をモデレーターに、菅原政一東北建設協会理事長、星雅俊石巻市震災復興部長、渡部英二UR都市再生機構本社技術調査室担当部長、秋葉公太日本CM協会東北支部長、赤津隆彦いわき市保健福祉部次長がパネラー、望月室長がアドバイザーを務めてパネルディスカッションを行った。
パネルディスカッションに先立って①東北建設協会の活動と東日本大震災への対応②石巻市における復興の現状と課題~官民連携による復興まちづくりを目指して③震災復興面整備事業の円滑な事業促進に向けて(女川町・東松島市野蒜地区等)④日本におけるCM事例の紹介⑤いわき市芸術交流館アリオスのPFI―について事例紹介が行われた。
この中で、事業促進PPPにより三陸沿岸道路として設定された10工区のうち第1工区を担当する東北建設協会の菅原理事長は、事業推進の中で「ここまでわれわれに関わらせられていいものか」という驚きを示したほか、「発注者とPPPにおける責任と権限の明確化に不備を感じる」と問題を提起した。
パネルディスカッションでは、復興事業におけるPPP参入の動向について「高台移転と漁村づくりなど、ものづくりと町の復興の両立」「事業者が乗りやすい制度環境が必要。議会承認などの手続きや事業の煩雑さのため職員が参加を渋るなどの行政の環境改善の必要性」などの課題が挙げられたほか、「災害住宅における定期借地権」「リスク管理における分担契約の折り込み」などの研究課題が示された。
川村専務が「PPP/PFIの推進には官民の枠を乗り越えた民民の枠で、企業を挙げた取り組みが必要。それぞれの立場で地域に対して何ができるかを考え、PPPなどの道具を使って地域活性化に生かしてもらいたい」と今後の展望に期待を含ませた。


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