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2013.12.05

内需拡大で経済成長を/大石氏が講演/原則一般競争は大間違い/本紙創刊45周年記念

福島建設工業新聞社創刊45周年記念講演会が3日、福島市のウェディングエルティで開催され、元国土交通省技監の大石久和国土技術研究センター国土政策研究所長が「社会資本をめぐる7つの誤解・曲解・無理解―建設業が若者の未来を拓くために」と題して講演。「わが国経済のために最も重視すべきはデフレからの脱却。そのためには内需を拡大して経済を成長させ、税収を増やすことが重要。公共投資を行い、建設産業が忙しいほどよい」と強調。また、公共調達に関しては、一般競争入札を原則としている現行の会計法と地方自治法を見直す必要性を指摘し、公共工事の調達に関した新法制定をめぐる国会の動きに対して、正しい方向かどうか注視すべきと述べた。
記念講演会は、県建設業協会が後援。同協会の小野利廣会長はじめ県内の建設産業および行政機関などから約150人が出席。齋藤直樹社長があいさつし、創刊45周年を迎えたことに感謝の意を示した。
大石氏は、①公共事業がストックとして思考されていない②財政危機を構造改革と歳出削減で乗り切ろうとした③日本は輸出大国だと誤解してきた④財政状況についての理解がゆがんでいた⑤経済学者がストックを理解できていない⑥大間違いの公共調達方式⑦日本人だけが社会にはインフラが不可欠であるとの理解ができていない―ことが社会資本をめぐる7つの誤解・曲解・無理解として挙げ、欧米等との比較データを示して解説。アメリカの道路投資額は史上最大規模を更新し続けていること、「国の借金1000兆円」は政府の債権であり、国民が政府に貸している状況であること、公共事業の効果は一時的なものではなく、経済成長に欠かせない投資であることなどを強調した。
また、昨今の入札不調に関して、「人手が足りないから不調になっているのではなく、予定価格が低く(実勢価格と)合わないから不調になっている」と指摘。公共調達のルールについては、「物品調達と異なり、購入前に市場が評価できない公共調達において、一般競争入札を原則としていることがおかしく、より良い仕事をして次の指名を得ようという正義のインセンティブが働かない」と述べ、指名競争入札や随意契約を例外としている現行法の大原則を批判した。


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