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2014.03.25

東北中央道福島~米沢/東北最長栗子トンネルが貫通

東北中央自動車道・栗子トンネル(仮称)が22日、福島・山形県境付近で貫通し、福島~米沢の29年度開通に向けて大きく前進した。貫通式典・祝賀会には両県から約380人が出席し、道路トンネルでは全国で5番目、東北では最長となる長大トンネルの貫通を喜び、改めて早期完成に期待を寄せた。
栗子トンネルは、東北地方整備局が新直轄方式で整備する東北中央道福島~米沢(28㌔)のうち、最大の難所となる栗子峠を通過する延長8972㍍。無料道路のトンネルとしては全国最長となる。2車線の全幅9・5㍍。福島市飯坂町中野~米沢市万世町刈安地内。
福島側5146㍍の本坑工事(掘削・支保工、覆工)は清水・大豊特定建設工事共同企業体、山形側3826㍍を三井住友建設が担当。福島側は毎時220㌧の大量湧水、山形側は土圧による変位などを克服しながら、21年8月の山形側掘削開始から4年7カ月で貫通した。いずれも工期は27年3月で今後覆工を進めていく。
貫通式は貫通点を挟み両県側で行われ、福島側は佐藤知事、亀岡偉民復興大臣政務官、小林香福島市長ら、山形側は吉村美栄子山形県知事、小池剛東北地方整備局長がボタンを押して発破。貫通確認後、両県側から関係者が通り初めを行い貫通点で万歳三唱した。樽神輿で貫通を祝った。
則久芳行三井住友建設代表取締役社長は「国道13号直下の難所で当初から細心の注意を払い、技術を駆使して施工した。複雑な地質構造だったが無事貫通を迎えることができた」と謝辞を述べ、清水・大豊特定JVを代表して宮本洋一清水建設代表取締役社長は「工事完成まであと1年あるが、ものづくりの基本を守り高品質、高耐久の構造物を提供できるよう工事を進め、一日も早い完成引き渡しを目指し努力していく」と決意を新たにした。
祝賀会で根本匠復興大臣は「福島・山形両県が結ばれ、浜通りから中通り、さらには山形県へのアクセス性が向上し、広域連携が容易になった。被災地の復興に大きく貢献する」、佐藤知事は「福島・山形両県の未来の扉がさらに大きく開いた。関係者の連携を密にして、県としても栗子トンネルを復興のシンボルとして開通に向けて取り組んでいく」と祝辞を述べた。
小池局長は、無災害で貫通を迎えた施工者をたたえるとともに「所要時間の短縮、通行障害等の解消、観光・物流など地域経済への効果が期待される福島~米沢の29年度開通を目指してさらに整備を促進する」と述べ、東北中央道の早期完成に最大限努力していく考えも示した。


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