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2014.11.27

東日本高速/困難乗り越え完成/常磐道 浪江~南相馬間を公開

東日本高速道路相馬工事事務所は25日、12月6日に開通する常磐自動車のうち、浪江IC~南相馬IC間18㌔の現場を公開した。本線では3地点に放射線量表示板を設置したほか、路肩に凹型注意喚起舗装を導入し、ドライバーに正しい走行帯を知らせる安全対策を行った。料金所には新型料金精算機を導入し、管理の省力化を図った。
この区間は当初、23年度内開通の予定で、土工事がほぼ完了し、舗装工事と標識など道路施設工事を残すのみだったが、震災と原発事故の影響で、場所によっては2年以上、工事中断を余儀なくされた。原発から20㌔圏外の南相馬市原町区の7㌔区間は23年5月、同小高区の避難指示解除準備区域6㌔区間は24年3月、浪江町内居住制限区域と帰還困難区域5㌔区間は25年3月に工事を再開した。
工事区間では地震により法面等が約20カ所損傷したが、旧警戒区域内では立ち入りが制限されたため、復旧工事が遅れ雨水等による被害が拡大した個所もあった。工事再開に際しては、復旧作業や除染作業の本格化による作業員不足、生コンクリートや舗装に使用する資材、ダンプ、生コン運搬車も不足し、帰還困難区域内では資材搬入や機材使用を拒否されるケースに加え、作業者の飲食が禁止され、休憩する際には区域外に移動しなくてはならないため作業時間が制限されるなど困難が続いた。
同事務所は三重県や静岡県など遠方の砕石場を確保し、船舶で運搬するなど資材確保に努めたほか、橋梁の生コン打設では、天候に左右されないようエアドームを設置するなどして、打設日を延期することなく作業ができる体制を組んだ。
説明に当たった宮入徹往所長は「開通により地域間交流や物流の円滑化が図られるほか、相双地域の復興、原発作業員の移動の迅速化も期待できる」と述べた。


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