トピックス

2015.02.13

ゼネコンと情報交換/福島労働局が労災撲滅対策会議設置

福島労働局は12日、県内で工事等を行うゼネコンとで構成する「福島労働局・総合建設業労働災害撲滅対策会議」を設置した。ゼネコンと定期的に会合を開き、労災発生状況や問題点・対策を周知し情報を共有することで、本県全体の安全管理水準の向上を図るのが狙い。福島市のホテル福島グリーンパレスで開いた初会合を開いた。
同局は昨年、死亡労働災害多発非常事態宣言発令し、労災防止対策を重点展開した。その一環として、局としては初めて総合建設業を対象とした対策会議を開催しており、この取り組みを定例的に行おうと、改めて設置要綱を定めた。
会議は労働局と、県内で建設工事(除染含む)を施工する総合建設業者とで原則、年2回(概ね9月と2月)開催する。労働局が労働災害の発生状況とその問題点・対策、法令・ガイドライン等の改正などの情報を提供するとともに、安全管理について一定水準以上のノウハウを持つゼネコン各社が先進的な事例や現場での課題を報告する。
初会合には42社から115人が出席した。引地睦夫福島労働局長は、除染の本格化や中間貯蔵施設関連工事の着手で、厳しい雇用情勢にある県内建設業の人材確保が一層困難となり、経験の浅い労働者や県外からの労働者が増加し、労災発生リスクが高まることを懸念。「労災は被災者とその家族の人生を一変させるだけでなく、工事が遅れ復興が遅れることにもつながる。気を緩めることなく、労働災害防止対策にしっかりと取り組んでもらいたい」と訴え、局としても建設業の労動災害にさらに重点的に取り組む姿勢を示した。
設置要綱案を承認した後、福島労働局の清水俊明主任産業安全専門官が建設業の昨年1年間の労働災害発生状況と対策のポイントを解説した。県内では死亡災害に一定の歯止めが掛かったものの、死傷災害(休業4日以上)は507件と前年と比べ13・4%増加した。約2割(100件)が復旧・復興工事(交通事故除く)で、このうち6割が除染関係。また507件中250件を占めた建築工事では補修工事での災害発生が多かった。
型別では依然として「転落・墜落」が155件と最も多く、清水監督官は足場設置や手すり確保、ハーネスタイプの安全帯の使用など墜落リスクを軽減する取り組みの徹底を求めた。また昨年の特徴として「交通事故(39件)」を挙げた。休業を伴わないケガを含め90人以上が病院に運ばれており、特に除染での宿舎と現場との行き来に注意を呼びかけた。
昨年12月に実施した建設業一斉監督指導の結果を樋口雄一福島労働局監督課長が説明。清水建設、竹中工務店の担当者がそれぞれ富岡町、南相馬市で実施している除染作業での安全管理事例を紹介した。


ニュース一覧

トピックス

ニュース一覧