トピックス

2015.07.16

フォーラムがんばろう!東北/復興・創生期間向け 継続的公共投資求める

東北6県商工会議所連合会、東北建設業協会連合会など5団体で作る東北の社会資本整備を考える会(会長=高橋宏明東北経済連合会長)は15日、仙台市の江陽グランドホテルでフォーラム「がんばろう!東北」を開き、団体傘下の会員、国・県幹部など昨年度を大きく上回る約650人が参加。今年度が集中復興期間の最終年度に当たり今後5年間を見据えるための重要な年であり、復興予算・公共予算確保は必要不可欠として、①十分かつ確実な復旧・復興事業予算措置②被災地の復興加速③震災で得られた教訓を伝承し社会資本整備の役割理解促進④高規格幹線道路など社会資本整備推進⑤社会資本の戦略的な維持管理更新推進⑥国土強靭化対策の推進と財源確保⑦ストック効果が最大限発揮される取り組み推進―の7項目を決議した。
主催者を代表しあいさつした高橋会長は、28~32年度の「復興・創生期間」では、新たな災害復旧費の一部を地元が負担するが「被災地の復興が滞ることのないよう、関係機関に強く訴えたい」と強調。
震災以降、集中豪雨、台風、火山など自然災害が頻発・激甚化しており、国土強靭化基本法に基づく基本計画やグランドデザイン2050といった中長期的国土ビジョンに基づき「公共事業予算が安定的持続的に確保されるよう期待したい。国土構造が脆弱なわが国で、現実をしっかり見据え、すべての国民が安心して暮らすことが強く求められる」と重要性を訴えた。
開催県の三浦秀一宮城県副知事が「創造的な復興実現に向けて取り組みたい。いまだ県内では6万人が応急仮設住宅に暮らしている。安心した暮らしを取り戻すためには、高規格幹線道路整備、インフラはじめ既存ストックのメンテナンスが極めて重要」とあいさつした。
縄田正東北地方整備局長は①震災からの復興加速②防災減災・安全安心③地方創生に基づく地域経済の活性化―を整備局の使命と位置付け、その進捗を説明した。
方向を示し、「東北地方で、特に若者が安心して暮らせるよう官民一体となった取り組みが必要」とし協力を求めた。
例年、地域からの生の声を「意見発表」として取り上げており今回は、南三陸・ホテル観洋女将の阿部憲子さんが「復興へ~点と点をつないで」、本県からタカラ印刷伝わるデザイン研究室の漆山愛さんが「未来につなぐ、技術と想い」と題して登壇した。
阿部さんは、経営する2部門のうち、震災・津波により水産業部門がほぼ壊滅。残る観光部門の旅館に、避難してきた人々を守る使命を感じたという。「1000年に一度の災害」だったが「1000年に一度の学びの場でもある」と話した。
タカラ印刷の漆山さんは、業務で本県建設業協会を担当。当初「建設業は体力勝負の仕事」と考えていたが、協会との事業を進めるうちに土木、建築、大工工事だけでなく機械器具設置、電気通信、水道など生活に密着する分野があると知った。震災後は復興に向け各方面で活躍する姿を目の当たりにして、必要不可欠なライフライン整備管理を担っていると実感したという。
山形・米沢市出身という漆山さんは現在、国道13号を行き来しているが、大雨や風雪で通行止めや規制があり、交通障害が発生する確率も高い。東北中央道開通による地域間連携や交流に期待を寄せていると話した。
地元宮城3区選出の衆議院議員、西村明宏国土交通副大臣兼内閣府副大臣兼復興副大臣が「東北の復興と地方創生」と題して基調講演した。
特に地方創生について「東北はこれからどう元気になるのか、国、県のみならず、地域でも知恵を絞っていかないといけない。国ができるのはインフラ整備だけ。ハードができればあとはソフトの問題となる」と話し、地域からの具体案を求めた。


ニュース一覧

トピックス

ニュース一覧