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2016.06.17

全建賞に県内から5事業

国・地方自治体の技術職員らでつくる全日本技術協会(松田芳夫会長)の27年度「全建賞」受賞事業72件が決まった。本県からは①一般国道121号会津縦貫北道路②黒谷川河川災害復旧助成事業③県復興公営住宅整備工事・富田団地1号棟④いわき市災害公営住宅整備事業⑤国見町庁舎建築事業―の5件の受賞が決定した。谷口功労賞には松本英夫県下水道公社理事長、松本守利いわき市土木部長の2人が選ばれた。表彰式は28日、東京都千代田区のアルカディア市ヶ谷で行う。
全建賞は建設技術の発展を目的に、昭和28年に創設され今回で63回目。国や地方自治体などで実施され、地方協会長から推薦された事業・施策を対象に、延べ2カ月に及ぶ審査で受賞事業を決定している。
今回は、過去2番目に多い318事業の応募があり、72事業を選んだ。このうち26年度に設けた東日本大震災の復旧・復興事業を対象とする特別枠では、応募21事業から12事業が選ばれている。
本県から通常枠で受賞が決まったのは、東北地方整備局郡山国道事務所が実施した「一般国道121号会津縦貫北道路」と南会津建設事務所の「黒谷川河川災害復旧助成事業」の2件。
会津縦貫北道路は、地域高規格道路・会津縦貫北道路と同南道路の一部を形成する延長13・1㌔の自動車専用道路。全線開通により、会津地方の主要都市である喜多方市と会津若松市間が自専道で結ばれることで、会津地域の経済活動と福島の復興支援に役割を果たしている。特に21年度以降、喜多方市への企業進出、新たな雇用が創出され、ストック効果が発現されている点が評価された。
黒谷川の事業は、23年7月の新潟・福島豪雨で甚大な被害が発生した個所の災害復旧。現地の発生材を使用し、環境と防災の調和のとれた災害復旧事業を実施した。現地の風景、自然環境と調和しているとして選定された。
このほかの3件は特別枠で受賞した。
県中建設事務所が実施した「県復興公営住宅整備工事・富田団地1号棟」は、環境配慮やユニバーサルデザインなど、今後の公営住宅に求められるプランの標準化を図っている。スケルトンインフィルの採用や設備機器類の集約化により、ライフサイクルコストの削減や長寿命化を図っている点も、今後の公営住宅整備のモデルになると評価された。
いわき市の「災害公営住宅整備事業」は、市内7地区16カ所に約1500戸を整備した。震災後、災害公営住宅の早期供給が強く期待される中、プレキャストコンクリート工法の採用など施工の工夫や、地元建設業協会との協定締結などにより、27年度までに全戸を整備完了した。
「国見町庁舎建築事業」は、同町復旧・復興のシンボル事業。大臣認定により、地域材を活用した木質ハイブリッド鋼材内蔵型集成材を使用し、自然豊かな景観との調和、町民にとって親近感・愛着を感じられる役場庁舎を実現した。
谷口功労賞は人格と識見に優れ、功績が顕著な会員などに贈られる。県内から元県土木部長の松本英夫県下水道公社理事長、松本守利いわき市土木部長の2人が受賞する。
※特別枠で受賞したいわき市災害公営住宅・下浅貝地区


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