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2016.12.13

建築遺産の活用法議論/「大髙正人と三春のまちづくり」シンポ

「大髙正人と三春のまちづくり」シンポジウムは10日、三春町の三春交流館・まほらで開かれ、一般町民や建設関係者など約150人が参加して、大髙氏が三春町内に残した建築作品について、まちづくりへの継承と重ねて考えた。三春町、文化庁の主催。
国立近現代建築資料館が29年2月5日にかけて開催している「建築と社会を結ぶ―大髙正人の方法」展の巡回シンポジウムの一環として開いたもので、三春の南町出身建築家・故大正人氏が見守り続けた三春のまちづくりについて、町民体育館、歴史民俗資料館、三春ダム資料館、三春交流館・まほらホールなど彼が残した建築作品を踏まえて活動を振り返るとともに、そこで生み出されたレガシー(遺産)をこれからのまちづくりにどのように継承していくかを議論した。
初めに鈴木義孝三春町長が「大氏は偉大な建築家として町内に多くの建築作品を残しただけでなく、著名な方々との意見交換の場を設けてくれた。氏の活動を振り返り、まちづくりへの継承について来場者とともに考えたい」とあいさつ。コーディネーターの中島直人東京大学准教授がシンポジウムの趣旨を説明した。
伊藤寛前三春町長、岩田司東北大学教授、内藤忠元三春町商工会長、長澤悟東洋大学名誉教授(三春町学校建築研究会)が登壇して、それぞれから見た大高氏の人となりや、三春に残したものを思い出話を交えながら説明し、遺していったまちづくりの精神や方法の継承について意見を交換した。
シンポジウムでは、氏が町内に遺した作品群のパネル展示が行われたほか、三春交流館・まほらホールの設計図書等が展示され、建築関係者らが興味深そうに図書を閲覧していた。第2部ではヴァイオリニスト・山田実紀子さん(大髙氏三女)、ピアニスト・東郷まどかさんによる記念コンサートが開かれ、コンサートに先立ってまほらホールの舞台転換として、普段は見ることができない音響反射板の組み立て作業が公開された。


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