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2017.07.13

フォーラムがんばろう東北/国要望7項目を採択

震災からの復旧・復興へ向けた決起大会のフォーラム『がんばろう東北』が12日、仙台市の江陽グランドホテルで開かれた。東北在住の女性2人の意見発表、内閣官房参与の藤井聡京都大学大学院教授の基調講演を通して東北への社会資本整備の必要性を再認識したほか、復旧・復興予算の確保と防災・減災対策、国土強靭化対策の推進など7項目の国要望事項を採択した。
東北経済連合会や東北建設業協会連合会など、経済5団体で構成する東北の社会資本整備を考える会の主催、東北地域づくり協会の後援で、東北6県から約650人が出席。本県からは大河原聡県土木部長、小野利廣県建設業協会長ら約50人が参加した。
主催者代表あいさつで海輪誠東北経済連合会長が「震災後も自然の脅威をまざまざと見せつけられ、脆弱(ぜいじゃく)な国土を認識させられている。自然災害に備え、全国的に災害に強い国土づくり、国土強靭化対策が必要。高速交通ネットワークの整備を推進し、ミッシングリンクの解消を図ることも不可欠だ」と述べたほか、フォーラムを通して復興機運を高め、東北の発展を加速させたい意向を示した。
来賓の河端章好宮城県副知事、長谷川洋一宮城県議会副長、津田修一東北地方整備局長が祝辞を寄せた。7日付で就任した津田局長は「安定的・継続的な予算確保に努め、東北の復興、安全安心の確保、持続的な発展のため、協力しながら進めていきたい」と述べた。
意見発表したのは、秋田県の上野悦子高瀬電設取締役と、山形県かみのやま温泉の五十嵐朋子葉山館若女将の2人。上野さんは「地元に根差す優しい企業を目指して」、五十嵐さんは「広域観光と高速道」と題し、それぞれの立場から「東北の発展には高速交通網の整備が不可欠」と語り、早期ネットワーク化を求めた。
藤井教授は「超インフラ論~東北へのインフラ投資が日本を救う」と題して講演。アメリカやドイツなどの高速道路について「隅々まで整備しており、経済活動がスムーズ。どこに工場を造っても生産性が同じで、どこに家を建てても生活環境が変わらない。日本は東京中心。地方との基礎体力が抜本的に違い、地方は競争に勝てない」と述べ、ミッシングリンクの解消を求めることは「地域エゴではない」と強調した。
特に高速道路と新幹線を「〝線〟ではなく〝網〟にすることが地域間格差を是正する」と指摘。「インフラが整っている国や都市は経済も成長している。公共投資が民間投資を呼び込み、地域の発展につながる」などと述べた。
採択した国への要望7項目は次の通り。
▽復旧・復興事業の十分、確実な予算措置▽震災で得られた教訓の伝承と、社会資本整備の役割の理解増進▽高規格幹線道路など必要な社会資本の整備推進▽東北圏内における地域間格差の是正▽防災・減災対策、国土強靭化対策の推進▽社会資本の戦略的な維持・管理・更新の推進▽働き方改革の推進による生産性の向上を進め、日本海・太平洋2面活用の強化など、ストック効果が最大限発揮される取り組みの推進


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