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2017.11.24

福祉・住宅 連携会議/“暮らし”の安全網充実/基礎自治体こそ居住支援協を

県と県居住支援協議会は22日、福島市のコラッセふくしまで今年度第2回福祉・住宅連携会議「ともに活かし、ともにいきる」を開き、建築、福祉関係団体、行政など100人が参加。10月25日に施行された改正住宅セーフティネット法を踏まえ、民間の空き家・空き室活用など、住宅確保要配慮者の安定居住に向けた支援の在り方について考えた。
まず白川泰之東北大学公共政策大学院教授が「地域福祉で活きる改正住宅セーフティネット法」と題して講演した。今改正のポイントは①住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅の登録制度②専用住宅の改修入居への経済的支援③住宅確保要配慮者のマッチング・入居支援。同法で対象とする住宅確保要配慮者は、福祉制度による対象と大きく重なっており、2020年に向けて導入を進める、住まいをベースとした地域包括ケアシステムとの連動を解説した。
入居者にとってのセーフティネットは、住宅を得たから終了となる訳ではなく、その後に続く「暮らし」があり、そこに地域福祉が関係する。福祉はセーフティネットを機能させるための重要なエンジンで、居住支援活動を円滑に行うことが必要とし、基礎自治体である市町村に居住支援協議会を設置する意義を話した。
牧嶋誠吾氏(大牟田市立病院地域利用連携室次長兼総務課参事)は「地域包括ケアシステム構築をめざした福祉と住宅の連携~大牟田市居住支援協議会の取り組みと居住支援の在り方」について話した。牧嶋氏は昨年度まで大牟田市建築住宅課長を務めていたが、「人の生活をハコではなく生活から見たい」と市を退職し現職に就いた。以前は福祉部局にもおり、その経験から福祉と住宅の連携を説明した。
人口減少の中、空き家は増加するがこの対策には「箱もの」だけでなく、生活支援をセットで考える必要があり、住宅施策には福祉部局との連携が不可欠。基礎自治体である市町村は、これまでのような国や県の「機関委任事務」のような仕事の進め方ではなく、団体や市民と協働した地域独自のまちづくりが必要となると主張した。
また西沢希和子氏(あんど代表取締役)が「後見制度と不動産、居住支援活動との関連性」について講演し白川教授、牧嶋氏、西澤氏による鼎談も行われた。意見公募中の「県賃貸住宅供給促進計画」も紹介された。


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