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2018.08.06

桑折高架橋/RC床版を高耐久化/地整福島 試行実施へ産学官講習

東北地方整備局福島河川国道事務所はコンクリート構造物の品質確保対策として、相馬福島道路・桑折高架橋(仮称)RC床版の長寿命化・高耐久化を試行する。床版工着手に先立ち、桑折町多目的スタジオ・イコーゼで2日、産学官による講習会を開き、高耐久床版に関する最新の知見や他事業による試験施工事例などを共有し工事に備えた。
同事務所では27年度から、復興支援道路・相馬福島道路でコンクリート構造物の品質確保対策に取り組んでおり、学識者と受・発注者が連携して、講習会を昨年度まで5回開催。桑折高架橋の下部工は全橋台・橋脚で、膨張材やひび割れ防止鉄筋の使用、チェックシートの活用、養生シートの活用と養生期間延長といった、ひび割れ対策を試行検証した。
RC床版についても他構造物と同様に東北地方特有の凍害、塩害、アルカリシリカ反応(ASR)による複合劣化への対応が課題となっており、同事務所では29年度に彦平橋の上部工工事(施工=IHIインフラ建設)で試験施工を実施。コンクリート配合の見直しや膨張材の使用などを試した。
今年度は大規模橋梁における床版の長寿命化・高耐久化対策に着手する。彦平橋の検証結果や国道283号釜石花巻道路・向定内橋と青ぶな山バイパス橋梁の事例、学識者の意見などを踏まえ、大規模橋梁に適した材料の工夫、工法・手順などを検討し施工に反映する。
桑折高架橋は橋長1218㍍の鋼19径間連続非合成箱桁橋。床版工は4分割発注で、起点側を除く3工区を今年度発注する。東向田地区は施工者(小野工業所)が決定しており、半五郎地区と赤坂地区は近く発注手続きに入る見込み。
講習会には同事務所の担当職員、事業監理等受託コンサル、相馬福島道路の施工者ら81人が出席。小浪尊宏福島河川国道事務所長が「耐久性を確保した床版は彦平橋等で進めてきたが、いよいよ大規模橋梁への適用段階を迎える。産学官の力を結集して、積雪寒冷地でも壊れない、新しい技術を構築していこう」とあいさつした。
細田暁横浜国立大学大学院教授が「コンクリート構造物の品質・耐久性確保の意義と高炉セメント高耐久床版で発生したひび割れについて」、子田康弘日本大学工学部准教授が「道路橋コンクリート床版のあるべき耐久性」と題して講演した後、彦平橋などの取り組みをIHIインフラ建設の池上浩太朗氏らが説明した。


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